幼なじみのやめ方
諒は私を見ると、真顔でゆっくりと言った。

「俺は、幼なじみをやめたい」

諒の言葉に頭を鈍器で殴られたような感覚が走る。

私はもうとっくに諒に見放されてたんだ。

私だけが、対等な幼なじみだと思ったまま…。

ツゥッと涙が頬を伝った。

「アハハー、ごめん。なんかこれ勝手になってるだけでわざとじゃないから…」

諒に見られないように必死に涙を拭う。

だけど、涙は止まらずにどんどん溢れてくる。

「唯」

諒が私の手を掴んで、私を見てくる。

「俺は、お前のことずっと女として見てた」

突然の言葉に頭が真っ白になる。
< 38 / 170 >

この作品をシェア

pagetop