幼なじみのやめ方
「ただいまー」

唯がリビングに入ると、諒が夕飯の準備をしていた。

「おかえり、唯。どこ行ってたの?」

諒は唯を確認すると、心配そうな顔をしてきいた。

唯は諒から目をそらすと、ぶっきらぼうに答えた。

「…喫茶店」

「喫茶店?唯が?珍しいな」

諒は料理をする手を止めた。

唯は諒を睨んだ。

「私に言うことあるんじゃないの」

唯の言葉に諒が眉間に皺を寄せる。

「俺は謝らない。唯が好きだって言うのは変わらない」

唯は少し動揺したような表情を見せたが、すぐに冷静に切り返す。

「私は諒を好きじゃないのに?」
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