幼なじみのやめ方
唯は感情を読み取れない表情でそう言う。

諒は悲しそうな顔をする。

「生憎、片想いなのには慣れてる。何年唯のこと好きで居続けてると思ってるんだよ」

諒の真剣な言葉に唯は俯く。

「幼なじみのままじゃ駄目なの?」

「やだ」

諒は料理を完全にやめると、唯の目の前まで歩いてくる。

「幼なじみのままじゃ何も出来ないじゃん。俺は、唯が好きだから、キスしたいし、もう一度抱きたい」

諒が唯に手を伸ばす。

唯はそれを振り払った。

「私、今日希勇にあったよ」

唯の言葉に諒が息を飲む。

「…どこで?」

諒の声が震えている。
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