幼なじみのやめ方
「何、言ってるの?そんなことしたって、私は諒のこと好きにはならないよ……?」

諒は不安定に揺れた瞳で唯の目を真っ直ぐに見て言った。

「望みなんて無いのは分かってる。 だけど、お前を落とすには、こうして弱味に漬け込むしか無いんだ」

「いや、ちょっと待って‼マジで何言ってるのか分からないから‼」

唯が諒を突き放した。

諒は数歩よろめくと、俯いた。

「そうだよな。俺も分からない。………ごめん、別にアイツに会いに行っても俺、なにもしないから」

それだけ言うと、諒は部屋を出ていく。

唯は諒を突き放した手を握りしめて、苦しそうに顔を歪めた。
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