幼なじみのやめ方
「あれ、もう帰っちゃうんですか?」

顔見知りのこの居酒屋の店員が私に聞いてくる。

いつも私達姉妹の事を気にかけてくれる、気の良い店主の奥さんだ。

「えぇ、唯が拗ねて帰っちゃいまして。本当、まだまだ子どもなんですから」

私が愚痴を言うと、奥さんが意外な顔をした。

「うーん、でもこの前、唯ちゃん男の人連れてここに来たけどねぇ。なんだかかっこいい雰囲気の人だったよ」

奥さんは思い出すように言うと、ニヤリと笑った。

「一緒に住むとかなんとか言ってたし」

奥さんの言葉に仰天する。

「同居?!唯がですか⁉」

驚いて尋ねると、奥さんは頷いた。
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