幼なじみのやめ方
「諒、退いてよ」

「お前が出てこなきゃ退かないって言ったろ?」

諒がそう言うので、仕方なく布団から出る。

布団から出た私の顔を諒がビックリした顔で見つめた。

「唯……、どうした?」

それもそのはず。

私の今の顔は、さんざん泣きまくって、パンパンに腫れた顔になっているから。

諒が私の目元にそっと手を伸ばして涙を拭った。

「昼休みに具合悪いから帰るって連絡来たけど……本当は違うだろ?」

何かを見極めようとする目で諒が見てくる。

この家に帰る前に、一応具合が悪いって事にして、休んできたけど、流石に顔を見られたら嘘はつけない。
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