幼なじみのやめ方
「…失恋、したの」

諒が息を呑むのが分かった。

不安定な瞳で私を見つめてくる。

「アイツに、コクったのか?」

ゆっくりと首を横に振ると、諒は少し安心した顔をした。

「今日会いに行ったときに、彼女の写真見せられたの。私と違って、可愛らしい人だった。再会したからって、舞い上がった私が馬鹿みたい」

ぎゅっと唇を噛むと、力を入れすぎたのか血の味がした。

諒が私の手を握ってくる。

「それでも、アイツの事が好きなのか?」

切なそうに見つめてくる諒の顔。

私はまたもや首を横に振る。

「分からない。舞い上がってただけなんだって、気づいちゃったから」
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