幼なじみのやめ方
少し他人行儀な諒の言い方に戸惑う。

なんて返せば良いのか分からない。

「好きだから、感情を共有したい。好きだから、抱きしめたい、キスしたい、その先の事もしたい。好きだから、俺だけのものにしておきたい。俺をこんなにも狂わすのは、唯一人だけなんだよ」

諒が私に触れようとして出しかけた手を寸前で止める。

「キス、していいか?」

困った顔で私に聞いてくる。

最初は私に強引にキスしたくせに。

2回目は聞いてくるなんて、ずるい。

今の私は、冷静な判断なんて出来ない。

長年大事にしてきた想いがボロボロに崩れて、自分でもどう埋めれば良いのか分からない。
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