幼なじみのやめ方
忘れたい。何もかも。

希勇を好きだと思った感情。

間接キスで騒いでしまった胸も。

触れられた感触も。

諒が全て忘れさせてくれると言うなら。

「諒……、キスしてっ……!」

気づいたら、自分から諒を求めていた。

涙がポロポロと止まらなくて。

無性に心に空いてしまった穴を埋めてほしくて。

「分かった」

諒は頷くと、私にそっと唇を重ねてくる。

だめだよ、諒。

そんなやさしいキスじゃ、全然埋まらないよ…!

諒の背中に手を回して、ぎゅっと抱き締める。

すると、それに反応したかのように諒が深くキスをしてくる。
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