幼なじみのやめ方
「?!?!?!?!?!」

唯がズザザザッと椅子を後ろに引いて驚く。

「な、なにしてんの……?!」

顔を真っ赤にして俺にそんなことを聞いてくる唯。

「何って、キス」

口元を拭って何でも無いことのように言うと、ベッと舌を出した。

「唯が俺に変な態度とるから、その罰」

子供じみてるなあ、俺。なんて思いながら俺は唯の頭を通り抜け様に撫でる。

唯は知らないんだろう。

好きな人に素っ気なくされるって言うのが一番辛いって事が。

「俺、昨日の仕事まだ終わってなくて、悪いけど、今日は先行くから食器洗っといてくれね?」
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