幼なじみのやめ方
唯との会話はさっぱりしていて、話していて楽しいのに。

ちらり、と時計を見ると、もう唯が来る10分前になっていた。

ああ、早く終わらせたいのに!

イライラする俺の様子を感じ取ったのか、岩長がクスリと笑った。

「やだなー、堀合部長。イライラしないでくださいよぉ。傷ついちゃいますよぉ?私、本当に今日がチャンスだと思ってるので」

クスクスと笑う岩長に「チャンス?」と聞き返す。

岩長は一瞬瞳に冷酷さを秘めると。

「邪魔なんですよね、佐藤さん」

と低い声で言う。

俺が驚いて思わず眉間に眉を寄せると、岩長が意味ありげな笑みを浮かべて俺の眉間をつついた。
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