幼なじみのやめ方
「好きですよ。私、部長が好きです」

語尾を延ばした喋りかたではなくハッキリとそう言った。

予想内の反応に心の中でほくそえむ。

「……そうだったんですか。でも、すいません。私は佐藤さんが好きなので」

ハッキリと紳士的な態度でふってやると、岩長が顔を歪めた。

しかし、それは何故か勝ち誇ったような顔に変わる。

「佐藤さん、堀合部長のこと恋愛対象として見たことない。只の幼なじみだって言ってましたよ?」

岩長の言葉に、心臓を槍でつつかれたようなぐさりとした痛みが走る。

コイツ……、なんちゅう事を……!

「だからー、佐藤さんなんか諦めて私にしません?私なら部長を満足させてあげられる気がするんです」
< 94 / 170 >

この作品をシェア

pagetop