エターナルリング
「なぁ。真木には逢えてるか?」

「いや、あかね、今、クラッシュのイベントデザインで忙しいし、デザイン室からも出てこないしなぁ…。いつもの事で、今は逢えてないなぁ。」

今、会社をあげての大きなイベント準備期間で、デザイン室は忙しい。あかねはデザイン案件を何件も抱えていて、特に大きなイベントの時は昼食時もデザイン室に籠っている。

終わる頃を見計らって、いつも食事に誘うのが卓也の役名だった。

「今回は早く連れ出した方がいいんじゃないか?」

夏川の意図が分からずにいると、びっくりすることを話し出した。

「補佐の緒方と結城の噂話しが流れてる。」

「はぁ?」

「飲み会の朝、緒方とカフェにいたらしいなぁ。それを見たやつが、二人とも服も同じだったし、ホテルの近くにいたって話してるらしい。」

「緒方とは確かに会ったが、あれは……。」

 あの日をもう一度思いだす。

 シャワーを浴びて部屋に戻ると、あかねの姿がなく、暫く呆然としてたらチェックアウトのコールがなり、ホテルを出たのはお昼前だった。

ホテルを出て暫くすると、緒方がいて、相談を持ちかけらた。

昼時だから近くのカフェに入って、雑談やら仕事の愚痴やらを1時間聞かされたあげく、営業先の下見に行った。

< 18 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop