エターナルリング
冷やかしの理由も分からず、注意しても、何故か生暖かい目でみられる。

 それを、はにかんだように頬を赤らめて身をよじる緒方の行動は意味がわからなかったが、普段ならさっきの休憩スペースでの会話がよぎっただろうが、頭の中はあかねのことでいっぱいだった。

 どうして先にホテルを出たのか。

 誘ってきたのは好きだって言う気持ちがあったからじゃないのか。

 酔っていた、それじゃ嫌だ。
 それだけでは済まされないほどに、普段はわからない、豊満な胸に可愛い声、しなやかなあかねの体を知ってしまった。

やっと手に入ったのに、忘れるなんて出来ない。

 ぐちゃぐちゃな思考回路で考えても結局は、その答えはあかね本人じゃないと分からないのだから。

 あかねと話したい。
 あかねを抱き締めたい。
 あかねの気持ちをしりたい。
 
 ポケットにあるエターナルリングの箱を握りしめながら、今日こそは仕事が忙しくても逢いに行こうと決めて、自分の仕事に取りかかった。
 
 
 
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