エターナルリング
 ツカツカとあかねに、歩みよってきた緒方はあかねの耳元で囁いた。

「真木さん…。過ちはあくまでも過ちなんですよ。」

 あかねが息を飲むのが分かると、緒方はフフンと笑いながら去って行った。

-あやまち-

 その言葉が強く胸に突き刺さった。

 誘った自分が悪いのか。
 誘いにのった相手が悪いのか。
 気持ちを伝えなかったのがわるいのか。
 それをすべて-過ち-で片付けても良いのか。

*****
 卓弥に抱かれてから1週間たった。

 有りがたいことに社内あげてのイベントがあるため、デザイン室は忙しく、あかねは仕事に終われていた。

 卓弥のたくましい体や耳元で囁く甘い声をふと思い出す瞬間もあるが、社内を賑やす卓弥と緒方との噂で、現実に戻ることが出来、また仕事に集中するのだ。

 本当は、卓弥に聞きたいことがたくさんあるのだが、どうしていいのかわからないのだ。

 どうして抱いたの?
 私たちの関係は?
 噂の真相を聞きたい。
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