エターナルリング

「……ご結婚されるんですか？」

そんな質問をされた卓弥を盗みみたつもりが、おもいっきり目が合ってしまい、あかねは気まずそうに目を反らしてしまう。

「あの、結城さん？」

微妙な空気が漂う中、まだ女性陣は諦めずに卓弥の返事を待っているようで、見かねた茉莉が”注文お願いします～。”と店員を呼び３人分をさっさと注文し、ため息をつく。

「……プロポーズするよ。好きなやつに。」

ちょっとはにかんだ笑顔で、
女性陣目掛けて放った言葉に、あかねは胸を抉られるように苦しくなった。

そばにいた女性の悲鳴や涙を流す姿は目に入ってこず、ただ呆然としてしまいすぐに出てきた、ざる蕎麦の味なんて分からなかった。

結城卓弥は、自分がどんな風に人を魅了するかを知っているため、その魅了する技を営業主任になるまでに駆使してきた。

だがたまに、爆弾発言をするときがありそれを、-ＭＩＹＡＢＩ-の人間は、結城の陣と言われていて、年に１度ほどあるのだが、会社に帰れば“結城の陣”が起きたと噂が流れているだろうと予想ができる。