エターナルリング
結城の陣を起こさした本人は、さっさと次の営業先に向かってしまい、残されたあかねと茉莉の会社までのおしゃべりは、卓弥についてだった。

「ね、ねっ!プロポーズの相手だれだろうね!」

ニヤニヤしながら話しかける茉莉に対して、あかねは“うん、そうだね。”としか答えることが出来なかった。

「やっとプロポーズする気になったんだわ~。」

嬉しそうに話す茉莉に対して、何でそんなニヤニヤしてるんだろうとか、茉莉は何か知ってるんだろうかとたくさん聞きたいことはあるが、あかねは茉莉に聞こうとはしなかった。

(茉莉は、私が卓弥を好きとは知らない。)

「ねっきいてる?あかね?」

「うん、聞いてるよ。……夜の飲み会は大変だね。」

「ま~ね。本人は気にしないでしょうけど。」

ずっとニヤニヤしてる茉莉は、どんなプロポーズが理想?とか、どんな結婚式が理想?とか色々聞かれたがちっとも頭に入ってこない。

(私、どうしよう。卓弥がプロポーズして結婚したら……私、笑って過ごせるかな。)

そのときに、好きになったきっかけを振り返り、きちんと気持ちを伝えることを決意した。
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