短編小説 四ツ葉のクローバー
~今はなき 貴方へ~
十三 リング
奥さんは、自分の薬指にしているシルバーのリングを 震える手でゆっくりと外した。
そして それを拓也に渡した。
「それを楓さんの指にはめてあげて……」
拓也は奥さんに小さく頷き 私の左手を静かに引き寄せた。
そして 私の薬指に奥さんの温もりが残るリングがはめられた……。
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