短編小説 四ツ葉のクローバー
~今はなき 貴方へ~
私の指のリングを見て奥さんは微笑んだ。
「私の結婚指輪だったの……サイズが合うみたいで よかった
本当に よかった……」
そう言うと 突然意識を失った。
拓也が奥さんに声をかける。
「優子!しっかりしろ 聞こえるか!」
肩を揺すっても反応がない…
拓也は枕元のナースコールを押した。
その様子を見て夏実ちゃんが、今にも泣き出しそうな顔で私の腕を掴んだ。
『お姉さん 早く行こう!』