短編小説 四ツ葉のクローバー
~今はなき 貴方へ~
十四 四ツ葉のクローバー
夏実ちゃんに導かれるまま走りつづけて 病院の裏庭についた。
夏実ちゃんは 雑草が生い茂る場所にしゃがみ、草をかき分け何かを探している。
そして呆然と立ち尽くしている私に言った。
『早く お姉さんも探して!
四ツ葉のクローバーが 間に合わないから。』
「え?」
良く解らなかった。
『お姉さん 前に言ったでしょ?四ツ葉を見つけた人は幸せになれるって!
ママにあげれば治るかもしれないよ』