死者の声〜最期のメッセージ〜
ポイズン
その日の夜、藍は如月刑事から「一緒に飲みに行かないか?」と誘われ行くことにした。少し聞きたいこともあったからだ。

「藍、こっちだ」

居酒屋では、如月刑事は先に席に座っていた。藍も如月刑事の前に座る。

「梅酒ソーダを一つください」

店員に注文をし、藍は如月刑事に「捜査に進展があったの?」と訊ねる。如月刑事はビールを一口飲み、言った。

「お前、相変わらず仕事人間なんだな。仕事とプライベートを分けないと結婚できないぞ?」

「結婚できなくても問題ないわ」

「でも、お前のご両親は「早く孫の顔が見たい」と言わないのか?」

藍は苦い顔をする。それを誤魔化すようにうつむき、「……思い出させないでよ」と呟いた。

「まあ、俺がいつでもお前を嫁にもらってやってもいいぞ」

如月刑事は頰を赤く染めながら言う。藍は顔を上げ、「冗談でも嬉しいわ。でもね、本当に好きな人と結婚はすべきよ」と微笑んだ。

「いや、冗談じゃ……」
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