死者の声〜最期のメッセージ〜

その時、藍のスマホに電話がかかってきた。大河からだ。

「ごめんなさい、電話に出てくるわ」

藍は如月刑事にそう言い、居酒屋の外へ一旦出る。熱気のある居酒屋の中とは違い、外はひんやりしていた。

「霧島さん、今お忙しかったですか？」

「全然大丈夫よ。如月刑事と飲んでいるだけだから」

藍がそう言うと、「えっ！？どういうことですか！？如月刑事と付き合ってるんですか！？」と大河の焦ったような声が響く。

前にも、如月刑事に同じことを聞かれたような気がする、と藍は思いながら「違うわよ」と否定した。

「少し聞きたいことがあったの。それだけよ」

すると、「よかった〜……」と大きなため息が聞こえてくる。藍は思わず笑ってしまった。

「それで、どうしたの？」

「いや、ちょっと気になることがあって……」

大河は「霧島さん、すみません」と謝ってから話し始めた。

「実は俺、昼間に会った北村一花さんのファンなんです！いや、もちろん霧島さんには敵いませんけど……。インスタとかフォローしてるんですけど、ある投稿が気になって……」