死者の声〜最期のメッセージ〜
「行きましょう、霧島さん!今日は一日中食べ放題ですよ!」

大河に言われ、藍はこくりと頷いた。 普段はあまり食べないが、おいしい食べ物がたくさん並んでいると食欲が湧いてくる。

札幌味噌ラーメンを食べた後、三人はトルティーヤやチヂミ、しらす丼などを分け合って食べた。どれもおいしく、藍たちは楽しく話しながら屋台を見て回る。

チーズフォンデュの列に藍たちが並んでいると、藍の肩を後ろから誰かが叩く。藍が振り向くと如月大輔(きさらぎだいすけ)刑事と、その部下の原光矢(はらこうや)刑事がいた。

「こんなところで会うなんて、奇遇ですね」

如月刑事が少し嬉しそうに藍に話しかける。ちなみに、如月刑事は藍の元恋人だ。

「そうですね。お二人とも、お久しぶりです」

藍はぺこりと頭を下げる。大河はどこか嫌そうな表情を見せ、朝子はそれを見てニヤニヤ笑っていた。

「でも、どうしてお二人がここに?」

朝子が訊ねると、「今日のスペシャルゲストの警護ですよ」と原刑事が答えた。
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