死者の声〜最期のメッセージ〜
「スペシャルゲストを、俺たち二人を含めて六人で警護しているんです。休憩をもらって交代しました」

如月刑事が答え、「そんなすごい人が来るんですね」と藍は言う。

如月刑事と別れた後、早速三人はスペシャルゲストが登場する舞台の方へと向かった。

「もうすぐ登場するみたいね〜」

朝子がチーズフォンデュを口に入れながら言う。藍はじっと舞台を見つめていた。舞台では、高校のダンス部の生徒が踊っている最中だ。

「霧島さん、食べないんですか？」

ダンスに見とれていた藍は、ずっとチーズフォンデュを手に持ったままだった。心配そうに大河が訊ねる。

「ダンスに見とれていたの。私は運動があまり得意ではないから羨ましくて……」

すると、大河が藍の肩にそっと触れる。

「あ、あの！じゃあ俺が教えますよ？こう見えて運動は得意なんです！」

朝子が大河に親指を立てる。藍は少し考えた後、「嬉しいけど、迷惑をかけてしまうから……」と断った。
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