密偵をクビになったので元主のため料理人を目指します!
「よく二人で近所の公園まで行ったわね。途中の自販機でさーちゃんはいつもリンゴジュースを買っていたわ。向かいのコンビニのお兄さんが素敵だって、いつも見とれていたでしょう?」
「なっ!?」
「散歩から帰った後は膝の上にのせてブラッシングしてくれたわね。さーちゃんの手つき、とっても気持ちよかったわ。それからさーちゃんは乙女ゲームが大好きで、特にあの学園ものの、爽やか王子様系のキャラが大好きだって、発売日には徹夜でプレイして。翌日は見事に寝坊」
「あああっ! モモ、また会えて嬉しい!」
「さーちゃん……あたしがモモだって、信じてくれるの?」
「あなたはモモです。間違いないわ!」
早口でまくしたて、言葉に合わせて何度も頷いた。
「嬉しい! 信じてくれるのね、さーちゃん!」
「だって全部、モモしか知らない情報だし……」
異世界転生についてはそういうものかと諦め半分。理解するよりもそういうものだと思うしかないようだ。人間が転生するのなら犬バージョンもあるに違いない。
するとモモはさらにとんでもないことを言い出した。
「突然こんなことになって、さーちゃんも混乱していると思うけど。あたし、さーちゃんには話さなければいけないことがたくさんあるの。実は私、女神なのよ」
突然の、それも想像を軽く超える告白に、私は混乱していた。
「私はかつて運命を管理する立場にある女神だった」
放っておけば始まりそうな回想に、慌てて待ったをかける。
「えっと、なんて?」
「もう何年も昔の話よ。あたしは地上の調査のため、地上の生物に転生することにしたの。そうして選んだ転生先が、さーちゃん家のモモだったわ」
「そう、なんだ……」
他に何が言えただろう。私にはわからない。
「あたし、さーちゃんに謝らないといけないことがあるの。さーちゃんが死んだのは手違いなのよ! すべては愚かな妹の過ち!」
「どういうこと?」
「なっ!?」
「散歩から帰った後は膝の上にのせてブラッシングしてくれたわね。さーちゃんの手つき、とっても気持ちよかったわ。それからさーちゃんは乙女ゲームが大好きで、特にあの学園ものの、爽やか王子様系のキャラが大好きだって、発売日には徹夜でプレイして。翌日は見事に寝坊」
「あああっ! モモ、また会えて嬉しい!」
「さーちゃん……あたしがモモだって、信じてくれるの?」
「あなたはモモです。間違いないわ!」
早口でまくしたて、言葉に合わせて何度も頷いた。
「嬉しい! 信じてくれるのね、さーちゃん!」
「だって全部、モモしか知らない情報だし……」
異世界転生についてはそういうものかと諦め半分。理解するよりもそういうものだと思うしかないようだ。人間が転生するのなら犬バージョンもあるに違いない。
するとモモはさらにとんでもないことを言い出した。
「突然こんなことになって、さーちゃんも混乱していると思うけど。あたし、さーちゃんには話さなければいけないことがたくさんあるの。実は私、女神なのよ」
突然の、それも想像を軽く超える告白に、私は混乱していた。
「私はかつて運命を管理する立場にある女神だった」
放っておけば始まりそうな回想に、慌てて待ったをかける。
「えっと、なんて?」
「もう何年も昔の話よ。あたしは地上の調査のため、地上の生物に転生することにしたの。そうして選んだ転生先が、さーちゃん家のモモだったわ」
「そう、なんだ……」
他に何が言えただろう。私にはわからない。
「あたし、さーちゃんに謝らないといけないことがあるの。さーちゃんが死んだのは手違いなのよ! すべては愚かな妹の過ち!」
「どういうこと?」