密偵をクビになったので元主のため料理人を目指します!
翌日、料理修行を決意することにした私は市場で買い出しに励んでいた。
非常に重要なミッションである。何故なら私の家には鍋やフライパン、ボウルなど、調理に必要な器具が存在しない。
そのはずが……依然として買い物カゴの中はさみし気だ。
私にとっては鍋一つ買うことすら難しいみたいです。機密を盗む方がまだ簡単。先ほどから何を買えばいいのかまるでわからず、店先で唸っている。
とりあえずフライパン? でも、フライパンだけで何種類もあるし……
改めに自分の料理の出来なさ加減に失望している。
「あれ? もしかして……サリアさん?」
声には覚えがあった。救いの神が現れたようだ。
「リーチェさん?」
「お買い物ですか? 随分熱心に悩んでいるみたいですけど」
「鍋が……」
「鍋?」
「リーチェさん! お願いします助けて下さい!」
「えっ!?」
事情を説明すると、リーチェさんは任せて下さいと快く了承してくれた。料理長から聞いた話では私よりも年下だというけれど頼もしすぎる。その上、リーチェさんは荷物持ちまで手伝ってくれた。どこまで天使なんですか!?
「本当にありがとうございます」
「どういたしまして! それにしてもこの方角ってことは、サリアさんの家とうちって、結構近いみたいですね。サリアさんは一人暮らしなんですか?」
「はい。家族はいません」
私たちが向かっているのは王都にある隠れ家の一つ。城にも通える距離なので、密偵をクビになってからはこの家を拠点に活動してい。
厨房勤務であれば城の敷地にある寮で暮らすことも出来るけれど、実家通いの方が安心するためだ。
非常に重要なミッションである。何故なら私の家には鍋やフライパン、ボウルなど、調理に必要な器具が存在しない。
そのはずが……依然として買い物カゴの中はさみし気だ。
私にとっては鍋一つ買うことすら難しいみたいです。機密を盗む方がまだ簡単。先ほどから何を買えばいいのかまるでわからず、店先で唸っている。
とりあえずフライパン? でも、フライパンだけで何種類もあるし……
改めに自分の料理の出来なさ加減に失望している。
「あれ? もしかして……サリアさん?」
声には覚えがあった。救いの神が現れたようだ。
「リーチェさん?」
「お買い物ですか? 随分熱心に悩んでいるみたいですけど」
「鍋が……」
「鍋?」
「リーチェさん! お願いします助けて下さい!」
「えっ!?」
事情を説明すると、リーチェさんは任せて下さいと快く了承してくれた。料理長から聞いた話では私よりも年下だというけれど頼もしすぎる。その上、リーチェさんは荷物持ちまで手伝ってくれた。どこまで天使なんですか!?
「本当にありがとうございます」
「どういたしまして! それにしてもこの方角ってことは、サリアさんの家とうちって、結構近いみたいですね。サリアさんは一人暮らしなんですか?」
「はい。家族はいません」
私たちが向かっているのは王都にある隠れ家の一つ。城にも通える距離なので、密偵をクビになってからはこの家を拠点に活動してい。
厨房勤務であれば城の敷地にある寮で暮らすことも出来るけれど、実家通いの方が安心するためだ。