密偵をクビになったので元主のため料理人を目指します!
モモは留守の間に私の身に起こったことを知るなり羽を広げて怒りを露わにする。本人曰く、怒りのポーズらしい。
「きぃー! あたしのさーちゃんを困らせるなんて! あんの王子、毎晩窓をつついて寝不足にしてやろうかしら!」
「お、落ち着いて、モモ。それにセオドア殿下、今はもう国王陛下だからね。国王陛下が寝不足になったらみんな困るから」
モモの憤りはすさまじい。不謹慎ではあるけれど、自分のためにそこまで怒ってくれることは嬉しくもあった。
「はあ……あたし、さーちゃんが心配。あの人、不遜で嫌みったらしくて、傍若無人な人間でしょう」
うんうんと私は同意する。私の陛下に対する評価もたいがい一致していた。
「モモの言う通り、あの人がこのまま私を放っておくとは思えない」
陛下は主様のことを嫌っていた。否定はしたけれど、陛下にとって私はかつて主様の隣にいた人間だ。きっと私が主様の命で城の内情を探っていると考えた。目障りな私を放っておくとは思えない。
「油断しない方がいいよね」
「さーちゃんの言うとおりね。だ、け、ど! そんなに心配しなくても大丈夫よ」
「どういうこと?」
「あの人は、さーちゃんに心強い味方がいるって知らないでしょ?」
バチッとウインクをしたモモは、これからは陛下のことを見張ると言ってくれた。確かにいくら陛下でも鳥が自分を見張っているとは思わないだろう。
モモのおかげで私は翌日からも取り乱すことなく仕事に集中することが出来た。主様のためにも頑張らないといけませんからね!
「きぃー! あたしのさーちゃんを困らせるなんて! あんの王子、毎晩窓をつついて寝不足にしてやろうかしら!」
「お、落ち着いて、モモ。それにセオドア殿下、今はもう国王陛下だからね。国王陛下が寝不足になったらみんな困るから」
モモの憤りはすさまじい。不謹慎ではあるけれど、自分のためにそこまで怒ってくれることは嬉しくもあった。
「はあ……あたし、さーちゃんが心配。あの人、不遜で嫌みったらしくて、傍若無人な人間でしょう」
うんうんと私は同意する。私の陛下に対する評価もたいがい一致していた。
「モモの言う通り、あの人がこのまま私を放っておくとは思えない」
陛下は主様のことを嫌っていた。否定はしたけれど、陛下にとって私はかつて主様の隣にいた人間だ。きっと私が主様の命で城の内情を探っていると考えた。目障りな私を放っておくとは思えない。
「油断しない方がいいよね」
「さーちゃんの言うとおりね。だ、け、ど! そんなに心配しなくても大丈夫よ」
「どういうこと?」
「あの人は、さーちゃんに心強い味方がいるって知らないでしょ?」
バチッとウインクをしたモモは、これからは陛下のことを見張ると言ってくれた。確かにいくら陛下でも鳥が自分を見張っているとは思わないだろう。
モモのおかげで私は翌日からも取り乱すことなく仕事に集中することが出来た。主様のためにも頑張らないといけませんからね!