Rose
バイク屋の中を抜け、裏口に出ると見えてきたのは学校の裏門。

【黒白学園】

私たちが通っている高校。

世界屈指の進学校で一学年120人と少なく、狭き門らしい。

その中でも特に入るのが難しいとされているのが、

x組。

他の1.2.3組とは違い、実力勝負のクラスだ。

1.2.3組は1に勉強、2に勉強といった感じだが、

x組はスポーツや芸術、専門学などの部門で良い成績を収めていなければ入ることができない。

ちなみに、私たちは全員x組。



裏門を入って、校舎とは離れた別館に入る。

ここは私たちしか入ることのできない建物で、

学園内では

この別館に近づくと呪われるとまで言われているらしい笑笑

実際はー

ガチャッ

『おはよう』

「おはよう、海羽!」

「お、来たか」

「おはよー」

「おはよう」

これが私の家族で暖かい場所だ。

「海羽が来ないから全然楽しくなかったぁ〜」

柊 舞香_hiragi maika_

ブラウンの瞳にボブの茶髪。同級生で癒し系の彼女はいつも私の横にいる親友のような幼馴染。

「だから、こいつ1時間しか受けずに帰ってきやがった」

壱城 唯希_ichijo yuiki_

少し偉そうに話すこの男はシルバーのセットされた短髪で、ダンベルを持って筋トレをしている。1つ上だが舞香と1番仲がいいのは唯希じゃないだろうか。

「まあまあ、海羽は座って紅茶でも飲みな?」

裕紀 晴_yuki haru_

晴くんも1つ上で少し茶色がかった髪で爽やかな印象を受ける。晴くんの淹れてくれる紅茶はいつも美味しい。

「とりあえず海羽が来たから静かにはなるか。笑」

神崎 颯斗_kanzaki futo_

十夜と同級生の2つ上の颯斗はいつどこで私たちが何もしているか上に報告してくれる真面目で落ち着いた人だ。彼の紫がかった髪はいつ見ても綺麗だ。

そして私は
如月 海羽_kisaragi miu_

私たち6人は今までずっと一緒にいた。これからもだ。

__そう思いたい。












「そろそろ5限目が始まるぞ」

『ほんとだ。行かなきゃ。」

颯斗に言われなかったら気づかなかった。

「舞香、お前も行ってこい!」

「フンッ、唯希に言われなくてもわかってるし!」

「は、お前あと3時間全部受けて来なかったらしばく。」

「えー、あと2時間だけなのに!!」

「うるせぇ!受けてこい!」

「海羽〜、唯希がいじめる〜泣」

そういって舞香が私に抱きつく。

『わかったわかった、行こうか、?』

「うん!!!」

「ここにいるから、なんかあったら帰ってこい。」

心配そうな顔で私にそう言う十夜。

私は十夜の手を握って、

『大丈夫、できるだけ頑張ってくる』

そう言って部屋を出た。
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