身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~

 ようやく、いくらかの欲情はおさまってキスを解いたときには、琴音の唇は熟したように赤く染まっていた。
 いや、唇と言わず頬や目元まで、熱を孕んで色っぽく見えとてもじゃないがコンビニに行かせられるような表情ではない。

 琴音は助手席に座らせたまま、閑がミルクティを買いに行って琴音に渡した。家の前まで送り、彼女が中に入るまで見届けてから車を走らせる。

 ――今、何日だ。あと二週間……。

 わかり切っていたことだというのに、頭の中で日付を確認して数えて、やはり二週間あることにため息を吐く。

 たった二週間、されど二週間。あと少しだと思っていたはずなのに、今は随分遠く感じた。

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