私の学校の生徒会、実は魔術師の集まりだったそうです
本当はひとつ、小さいタイプが家にある

私が幼い頃に使っていたから

肌身離さずというか、取れない

それを私は、魔術で切り裂いた

あれは一種の魔道具。死ぬ時か、もしくは魔法協会を脱退する時にしか外れない

サビとかも一切ないし、指輪が取れなくて苦労することもなかったけど

私の場合、脱退はした

が、指輪は取れなかった。父が手を回したから

我ながらひどいことをされたものだ

「わかりました」

「はい。これで測定は終了です。お疲れ様でした」

大郷くんと部屋を出ると、廊下のソファに座って書類とにらめっこをしている琴葉先輩が

・・・・・・その書類、完全に化物処理の報告書ですよね

量が多かったり、強いのが出た時は報告書を提出するのが義務

上層部も雑魚に対しての報告書を見る暇もない

だから強いか、もしくは大量発生と本人がみなした時のみ報告書は提出する

ああ、もし提出しないと叱られる。どこでどれだけの化物が発生したかはわかるから

ただ、どれほどのものなのかはわからない。よって報告書が必要になる

時期的にこの前の大郷くんの化物か

「あ、終わった?」

「終わりましたよー。6000ありました、両方」

「わお・・・・・・さすが芽衣ちゃん」

「いえ、それほどでも」

「ふふ。じゃあ指輪を取りにいってきて。ついでに私はこれ、提出してくるから」

ソファから立ち上がり、ヒラヒラと報告書を振りながら琴葉先輩はどこかへ消えた

つまり、私は大郷くんについて行けと

「琴葉さーん・・・・・・」

呆れたような顔で、琴葉先輩が消えた道を見る大郷くん

多分、琴葉先輩だけが、この中で唯一報告書の提出に行ける人だから大郷くんに私の案内を任せたのだろう
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