私の学校の生徒会、実は魔術師の集まりだったそうです
そうでなければ何だか日本語がおかしい気がする

「あっ、芽衣ちゃんはあれ、知らないよね?」

くるんと振り返って、私の方を見る大河先輩

考え事をしていた時だったので、つい高速で首を縦に降ってしまった

いけない、少しリアクションが過ぎたか

「はい。あれってなんですか?」

「あれは寄生型の化物でねー、ちょっと厄介な・・・・・・」

大河先輩の化物講座をこっそりと、だけど華麗に聞き流し、5分後

「というわけ」

「なるほど」

とりあえず頷いておく

元から知っていたし、何より解説を聞いていて、私の方が持っている情報量は豊富だと気づいた

お母さんに、何度も教えられたことだから、忘れるに忘れられない

「そういえば大郷くん、いくつか加筆修正等があったので訂正しました」

「あっ、まじ?ありがと」

「わー、さすが碧。いつまで経っても変わらないよね」

「うるさいです、琴葉先輩」

「そーだよねぇ。毎回新聞書く度に確認するのはこっちなんだから!しっかりしてよ」

乃亜先輩も可愛く頬を膨らませる

傍から見れば、どうも怒っているようには見えない

まあ本人も大して怒ってる訳では無いんだろうけど




「芽衣さん、確認が終わったら次は私と一緒に行動してくれませんか?」

寄生型の化物騒動から少し経ち、短針が5を刻んだあたりで、花音さんが声をかけてくる

一緒に、というのが気になる

「わかりました。それで、何をするんです」

「見回りです。初心者は絶対に誰かと一緒に見回りに行くことが条件ですので」

なるほど

確かに、適役といえば花音さんだろう

役割の振り方が正しい

そう思いつつ、私は机の上に広がる書物を見る

会計が使う家計簿なるものだ。ここでは家ではないけど

見たところ、あと10分もあれば大丈夫だろう。指示された部分は終わるはず

「あと少しで終わります。終わったら声かけるので」

「わかりました。焦らなくて大丈夫ですから」

そう言って、パソコンとにらめっこする乃亜先輩のところへ戻っていく

毎月、月の初めに部活毎に割当てるお金を振り分けているところだ

それを計簿につけ、余ったお金は予備費としてちゃんと月の終わりに収集する

最終的には決算の日に予算と支出の差額をつけ、そして余った分は来年を回す、と言ったふうになっている

これはひとつの過程に過ぎないが、最終的に決算期に数ヶ月の誤差があるとだいぶ困る

ので、これは必ず付けなくてはならない

とはいえまだ提出期限は先のため、まだ猶予はあるが
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