私の学校の生徒会、実は魔術師の集まりだったそうです
「花音さん、って、どうして魔術を始めたんですか」
我ながら馬鹿な質問である
琴葉先輩から花音さんの生い立ちなるものを聞いておきながら
しかも内容が内容だ。とてつもなくまずった
幸か不幸か、それだけで表情は一切変わらない私
後悔した時には時すでに遅し
だが、私の失態を勘づくことなく、花音さんは『何も知らないのなら、仕方ありません』とばかりに苦笑いした
「私が魔術を本格的に始めたのは、姉が亡くなってからですね」
「・・・・・・お姉さん、ですか」
「はい。化物から私を守ろうとして、命を落とした私の姉です」
日頃の優しげな笑顔からは感じられないほど、寂しそうな顔
柔らかな陽の光で人を暖めるような笑顔は、そこになかった
「・・・・・・すみません」
「いえ、謝ることはありませんよ。こちらの事情ですから。それに今は割り切っています」
コツコツと私たちの歩く音だけが響く
最悪の雰囲気だ
花音さんは割り切っている、と言ったが、あの顔は完全に後悔している顔だ
かつての、私のように
「私、姉が死んだ直後は、なんで私は強くないんだろうってことばかり、考えてたんです」
沈黙の中、先に口を開いたのは花音さんだった
ああ、やっぱりか、と
私と全く同じ・・・・・・
「姉が生きていた証も、消されました。唯一覚えているのは私だけ・・・・・・死という瞬間に関わった私と、揉み消した人物しか、姉が生きていたということをこの目で覚えていないんです」
「揉み消された、って・・・・・・」
「・・・・・・芽衣さんは知らないですよね。私たちが幼い頃、強力な化物が出現した事件があったんです。その時に亡くなった方は、魔術という秘匿の存在に触れたが為に、生きていたことすら残さず、この世から完全に消されたんです」
我ながら馬鹿な質問である
琴葉先輩から花音さんの生い立ちなるものを聞いておきながら
しかも内容が内容だ。とてつもなくまずった
幸か不幸か、それだけで表情は一切変わらない私
後悔した時には時すでに遅し
だが、私の失態を勘づくことなく、花音さんは『何も知らないのなら、仕方ありません』とばかりに苦笑いした
「私が魔術を本格的に始めたのは、姉が亡くなってからですね」
「・・・・・・お姉さん、ですか」
「はい。化物から私を守ろうとして、命を落とした私の姉です」
日頃の優しげな笑顔からは感じられないほど、寂しそうな顔
柔らかな陽の光で人を暖めるような笑顔は、そこになかった
「・・・・・・すみません」
「いえ、謝ることはありませんよ。こちらの事情ですから。それに今は割り切っています」
コツコツと私たちの歩く音だけが響く
最悪の雰囲気だ
花音さんは割り切っている、と言ったが、あの顔は完全に後悔している顔だ
かつての、私のように
「私、姉が死んだ直後は、なんで私は強くないんだろうってことばかり、考えてたんです」
沈黙の中、先に口を開いたのは花音さんだった
ああ、やっぱりか、と
私と全く同じ・・・・・・
「姉が生きていた証も、消されました。唯一覚えているのは私だけ・・・・・・死という瞬間に関わった私と、揉み消した人物しか、姉が生きていたということをこの目で覚えていないんです」
「揉み消された、って・・・・・・」
「・・・・・・芽衣さんは知らないですよね。私たちが幼い頃、強力な化物が出現した事件があったんです。その時に亡くなった方は、魔術という秘匿の存在に触れたが為に、生きていたことすら残さず、この世から完全に消されたんです」