私の学校の生徒会、実は魔術師の集まりだったそうです
ちらりと俯く花音さんを見ると、その目には微かに怒りが含まれていた

私と花音さんは、似ている

似すぎている

これほど似ていると、逆に怖いくらいに

私は神を信じていない

けど

それはまるで、本当に神が私と彼女を引き合わせたかのように思えた

「・・・・・・私には、母がいません」

「え・・・・・・?」

「恐らく、花音さんと同じ頃に、私を庇って亡くなりました」

交通事故です、と小さく付け加える

庇ってなんで、まるで化物に襲われて死んだみたいじゃない・・・・・・

だから敢えて、交通事故と騙った

「そうだったんですね」

花音さんは、なんとも言えない複雑な表情をする

そうだろう。そんな顔になるのも当然だ

私も、琴葉先輩から花音さんのことを聞いた時、そんな顔をしていただろう

自分と似た生い立ちの人が現れたともなれば

「私も初めは後悔しました。あの時、私が母について行かなければ、死ななかったかもしれないと」

無理を言ってついて行った訳では無い

ただ、戦力の問題で、子供も駆り出されたのだ

「それがきっかけで、私は変わりました」

表情の起伏のない、何にしても無関心な女の子に

ただ少しだけ魔術に特化した、異常な子に

「似ていますね、私たち」

少し表情が和らぎ、花音さんの顔に笑顔が戻る

「私もその日から変わりました。化物に対する殺意が、芽生えましたから」

暴走しそうな花音さんを止めてくれたのが琴葉先輩だった、と

────僻む訳では無いが、私には止めてくれる人がいなかった

まあそのお陰で強くなれたので特に寂しかったというのも無いが、ともあれ

「だから、今度は私が琴葉先輩を守ると決めたんです。強くなって琴葉先輩を守る立場になりたいと」

琴葉先輩は強いんですけどね、とつぶやく

私は、守りたい人はいない

唯一、守りたいのは

自分だった

「絶対に誰一人として死なせません。化物から、守ってみせる」

固く結ばれた花音さんの決意に、私は力強く頷いた
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