私の学校の生徒会、実は魔術師の集まりだったそうです
「水よ、ゆらゆらと流れよ。その身をもって我が敵を倒せ」

透明な水が出現し、解き放たれる

それはいくつもの水柱となり、化物に突撃した

が、全く効果はない

「水も、火もダメ?そんな化物、聞いたことない・・・・・・」

呆然としたように花音さんが呟く

なるほど

花音さんは知らないらしい

掃滅級の化物には、物理的な攻撃が一切効かない個体があることを

なれば

「きゅるるる!」

口から氷柱のようなものを吐き出し、花音さんへの攻撃を始める

花音さんは即座に炎で溶かし、事なきを得たが、それでも化物は攻撃をやめない

「すみませんっ、大河先輩を呼んできてください!私じゃ無理です!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「早く!私の魔力じゃ・・・・・・あと10分もつかわからないんです!」

必死に花音さんが叫ぶが、私はその場から一切動こうとはしなかった

知らぬなら、教えてしまえばいいだけの事

さて、私の正体を明かさずに、どうやって伝えようか

「花音さん、多分この化物って、強いですよね?」

「はい。恐らく掃滅級・・・・・・上から2番目に強いレベルかと」

火を燃やしながら私の問いかけに答える

やはり分かっていない

「もし物理的な攻撃が無理なら、他の攻撃を試してみればいいのではないですか」

これが私に出来る、精一杯のヒント

大丈夫。花音さんならこれだけでわかるはず

「物理以外で・・・・・・?でも、そんな魔術があるなんて───────」

そこまで言いかけて、ハッとしたように目を見開いた

察したか

物理以外での攻撃の仕方

精神核への直接的な攻撃

この世には、精神核と呼ばれるものがある

それは自分たちの理性を抑える容器のようなもので、それが壊れると、犯罪などを犯したり、発狂してしまったりする

ただまあ、廃人になることが多い

もちろん例に漏れず、化物にも精神核が存在する

だが、元々理性などない化物のこと

人間と違って精神核は理性を抑えるものではなく、自分の命を守るもの

物理的な攻撃では精神核ではなく、その身体を傷つけ、死に追いやる

だが精神核への攻撃は、外傷なく殺す

そう、すなわち

「精神核を傷つければ、断末魔の苦痛と共に一瞬で殺せる・・・・・・!」

精神核を直接攻撃するのは、とてつもない苦痛を伴う

それ故、即死だ

自分の命を守る容器を攻撃され、それが割れれば、露出した命の根源は攻撃者の力によってすぐに消えてしまう

それをみんなが行わないのは、魔力を一気に消費するからなのだ。効率の悪さ故に、それを使わない
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