お願いだから、俺だけのものになって
(☆夏樹先輩side)
次の朝
『やべ!
このままじゃ間に合わない・・・』
俺は朝から
自転車をガンガンこいで
お弁当屋へ急ぐ
『着いた・・・
まだ美紅ちゃんいた・・・
良かった・・・』
俺は自転車を停め
財布を持って
急いで店に入った
「あ、いらっしゃいませ」
俺の顔を見て
美紅ちゃんは微笑んでくれた
この笑顔を見たくて
俺は毎日早起きして
この弁当屋に通っている
俺の名前は高木 夏樹(たかぎ なつき)
桜木高校2年
サッカー部キャプテン
ここに最初に来たのは
半年前だったな
母さんがお弁当を作り忘れたから
しょうがなく朝練前に寄った
その時に
真っ赤なエプロン姿で
惣菜を並べていたのが
美紅ちゃんだった
このお弁当屋は
専用のお弁当箱に
おかずを詰め放題で300円
自分で詰めてもいいが
俺は食べたいものをいくつか選び
あとは美紅ちゃんに
お任せで詰めてもらっている
半年間
ずっと美紅ちゃんに片思いのまま
夏休み以外の平日は
毎朝会いに来ているが
俺の気持ちなんて
美紅ちゃんは
気づいていないだろう・・・
なぜって?
それは・・・
恥ずかしすぎて
照れ隠しで
無愛想になってしまうから・・・
多分美紅ちゃんは
俺の名前すら
知らないだろうし・・・
やベっ!
今日は寝坊して
あんまり時間がないんだった
「今日は
どんなおかずが良いですか?」
「唐揚げとサバの味噌煮を
入れてください
それ以外はお任せで」
「唐揚げなんですけど・・・
初めて私が下味をつけたんです
お口に合うか心配なんですけど・・・」
え?
美紅ちゃんの味付け?
すっげー嬉しい!!
ラッキーじゃんオレ!!
でもそんな心の声は
表には出せず
「唐揚げでいいです」
とクールに言ってしまった
何やってるんだよオレ!!
もっと素直になれよ!!
「あの~」
お弁当箱に料理を詰めながら
美紅ちゃんが聞いてきた
「卵焼きって好きですか?」
「え?卵焼き?
嫌いじゃないけど
おいしいって思ったことないかな」
俺は素直に答えた
「そうですか・・・」
あれ?
今美紅ちゃん
ちょっと悲しそうな顔を
したような・・・
「今日は夏樹さんの好きな
ほうれん草の胡麻和えを
多めに入れておきました
このおかずで良いですか?」
俺が
ほうれん草好きって言ったの
覚えててくれたんだ
感激!!!
え?
しかも・・・
俺の名前
呼んでくれた?????
半年間通い詰めて
名前呼ばれたの
初なんだけど!!!
嬉しすぎて
飛び跳ねたいくらいだが
そんな時でも
クールな返事しかできない自分が
情けない
「それで良いです」
お金を払いお弁当を受け取ると
美紅ちゃんは
いつものセリフを言ってくれた
「今日も朝練
頑張ってくださいね」
美紅ちゃんから言われると
本当に頑張ろうと思える
俺は「ありがとう」と
控えめだが
精いっぱいの笑みを浮かべ
猛スピードで
高校まで自転車を走らせた
「なんとか間に合った・・・」
部室でウキウキ気分で
着替えていると
「なぁ夏樹!
今日も美紅ちゃんの
お弁当屋行ったんだろ?」
サッカー部の拓海が
ニヤニヤしながら聞いてきた
サッカー部の仲いい奴らは
俺が美紅ちゃんに
ずっと片思いしていることを
知っている
「行ったけど」
「夏樹も
卵焼き入れてもらったんだろ
楽しみだよな!
美紅ちゃんの手作りだし」
「え?????」
あの卵焼きって
美紅ちゃんが
作ったのだったのか・・・
「俺も入れてもらったぜ」
「試作だから
卵焼きサービスって言ってたよな」
え!!!!
みんな美紅ちゃんの卵焼きを
サービスしてもらってんじゃん!
俺の名前を初めて
呼んでもらって
富士山よりも高かった
俺の喜びは
ジェットコースターのように
急降下して
そのまま池に
ぽしゃんと落とされた
なぜ
卵焼き好きって
言わなかったんだよ・・・
バカだ俺は・・・
次の朝
『やべ!
このままじゃ間に合わない・・・』
俺は朝から
自転車をガンガンこいで
お弁当屋へ急ぐ
『着いた・・・
まだ美紅ちゃんいた・・・
良かった・・・』
俺は自転車を停め
財布を持って
急いで店に入った
「あ、いらっしゃいませ」
俺の顔を見て
美紅ちゃんは微笑んでくれた
この笑顔を見たくて
俺は毎日早起きして
この弁当屋に通っている
俺の名前は高木 夏樹(たかぎ なつき)
桜木高校2年
サッカー部キャプテン
ここに最初に来たのは
半年前だったな
母さんがお弁当を作り忘れたから
しょうがなく朝練前に寄った
その時に
真っ赤なエプロン姿で
惣菜を並べていたのが
美紅ちゃんだった
このお弁当屋は
専用のお弁当箱に
おかずを詰め放題で300円
自分で詰めてもいいが
俺は食べたいものをいくつか選び
あとは美紅ちゃんに
お任せで詰めてもらっている
半年間
ずっと美紅ちゃんに片思いのまま
夏休み以外の平日は
毎朝会いに来ているが
俺の気持ちなんて
美紅ちゃんは
気づいていないだろう・・・
なぜって?
それは・・・
恥ずかしすぎて
照れ隠しで
無愛想になってしまうから・・・
多分美紅ちゃんは
俺の名前すら
知らないだろうし・・・
やベっ!
今日は寝坊して
あんまり時間がないんだった
「今日は
どんなおかずが良いですか?」
「唐揚げとサバの味噌煮を
入れてください
それ以外はお任せで」
「唐揚げなんですけど・・・
初めて私が下味をつけたんです
お口に合うか心配なんですけど・・・」
え?
美紅ちゃんの味付け?
すっげー嬉しい!!
ラッキーじゃんオレ!!
でもそんな心の声は
表には出せず
「唐揚げでいいです」
とクールに言ってしまった
何やってるんだよオレ!!
もっと素直になれよ!!
「あの~」
お弁当箱に料理を詰めながら
美紅ちゃんが聞いてきた
「卵焼きって好きですか?」
「え?卵焼き?
嫌いじゃないけど
おいしいって思ったことないかな」
俺は素直に答えた
「そうですか・・・」
あれ?
今美紅ちゃん
ちょっと悲しそうな顔を
したような・・・
「今日は夏樹さんの好きな
ほうれん草の胡麻和えを
多めに入れておきました
このおかずで良いですか?」
俺が
ほうれん草好きって言ったの
覚えててくれたんだ
感激!!!
え?
しかも・・・
俺の名前
呼んでくれた?????
半年間通い詰めて
名前呼ばれたの
初なんだけど!!!
嬉しすぎて
飛び跳ねたいくらいだが
そんな時でも
クールな返事しかできない自分が
情けない
「それで良いです」
お金を払いお弁当を受け取ると
美紅ちゃんは
いつものセリフを言ってくれた
「今日も朝練
頑張ってくださいね」
美紅ちゃんから言われると
本当に頑張ろうと思える
俺は「ありがとう」と
控えめだが
精いっぱいの笑みを浮かべ
猛スピードで
高校まで自転車を走らせた
「なんとか間に合った・・・」
部室でウキウキ気分で
着替えていると
「なぁ夏樹!
今日も美紅ちゃんの
お弁当屋行ったんだろ?」
サッカー部の拓海が
ニヤニヤしながら聞いてきた
サッカー部の仲いい奴らは
俺が美紅ちゃんに
ずっと片思いしていることを
知っている
「行ったけど」
「夏樹も
卵焼き入れてもらったんだろ
楽しみだよな!
美紅ちゃんの手作りだし」
「え?????」
あの卵焼きって
美紅ちゃんが
作ったのだったのか・・・
「俺も入れてもらったぜ」
「試作だから
卵焼きサービスって言ってたよな」
え!!!!
みんな美紅ちゃんの卵焼きを
サービスしてもらってんじゃん!
俺の名前を初めて
呼んでもらって
富士山よりも高かった
俺の喜びは
ジェットコースターのように
急降下して
そのまま池に
ぽしゃんと落とされた
なぜ
卵焼き好きって
言わなかったんだよ・・・
バカだ俺は・・・