想色40season's
……しーちゃん!
そう気付いた瞬間、目の前に小さな光の点が現れた。そしてその点は凄まじいスピードで辺りを光で包み込むと、また私の目の前に真っ暗な闇が広がったのだった。
「莢果っ! 莢果っ!」
私の耳に再び響いたしーちゃんの声に眉をひそめると、真っ暗だった闇に一筋の光の線が浮かび上がった。
「莢果っ……良かった……もう救急車の音聞こえてるからすぐ来るよ! もう少しだから……頑張れ!」
私の視界に映ったのは、まだ見たことのない景色だった。
もう……あの不思議な旅は終わったみたい。
目の前には心配そうに私を見つめるしーちゃんの姿。そして視線を周りに向けると私達を囲むように人集りが出来ていて、私の上には遠い昔に見たように思える"あの綺麗な星空"が広がっていた。
すると、急に凍りついてしまうような悪寒が私を包み込んだ。視線を下に向けると、まだあの鉄の棒は私のお腹に生えていて、その鋭く尖った矛先を星空へと向けたままだ。
「あ……」
私から掠(かす)れた声が漏れる。それは私の視線の先に、赤い水溜りへと散乱した籠巾着の中身、あのストラップが映ったからだ。私はストラップを取ろうと手を伸ばそうとしたけど、まるで自分の身体じゃないみたいに何にも言う事を聞いてくれなくて、私は一粒の温かな雫を流す事しか出来なかった。
そう気付いた瞬間、目の前に小さな光の点が現れた。そしてその点は凄まじいスピードで辺りを光で包み込むと、また私の目の前に真っ暗な闇が広がったのだった。
「莢果っ! 莢果っ!」
私の耳に再び響いたしーちゃんの声に眉をひそめると、真っ暗だった闇に一筋の光の線が浮かび上がった。
「莢果っ……良かった……もう救急車の音聞こえてるからすぐ来るよ! もう少しだから……頑張れ!」
私の視界に映ったのは、まだ見たことのない景色だった。
もう……あの不思議な旅は終わったみたい。
目の前には心配そうに私を見つめるしーちゃんの姿。そして視線を周りに向けると私達を囲むように人集りが出来ていて、私の上には遠い昔に見たように思える"あの綺麗な星空"が広がっていた。
すると、急に凍りついてしまうような悪寒が私を包み込んだ。視線を下に向けると、まだあの鉄の棒は私のお腹に生えていて、その鋭く尖った矛先を星空へと向けたままだ。
「あ……」
私から掠(かす)れた声が漏れる。それは私の視線の先に、赤い水溜りへと散乱した籠巾着の中身、あのストラップが映ったからだ。私はストラップを取ろうと手を伸ばそうとしたけど、まるで自分の身体じゃないみたいに何にも言う事を聞いてくれなくて、私は一粒の温かな雫を流す事しか出来なかった。