想色40season's
でも、そんな事が続くようになって、お父さんとお母さんは、それが発達障害って病気からくる新しい病気なんじゃないかって心配になって、何回も病院に連れて行って検査をしてもらっても、もちろん検査結果は"異常なし"。
お医者さんも"小さい頃はよくある事ですよ"なんてまともに取り合ってくれなかったって。

私が三年生になって少し経った時、夕ご飯を食べている時にそんな事もあったんだよって聞いた時は、さすがに自分の事でも少し不安になったのを覚えてる。
そんなおかしな事も、私が幼稚園に入る頃には無くなったみたいで、"やっぱりあの頃はまだ小さかったから夢と現実の区別がつかなかったんだろ"とお父さんは笑っていた。

そんな話を聞いたせいか、その頃くらいから私は時々変な夢を見るようになった。
その夢は、いつも見る夢のみたいにヘンテコな生き物やクラスの子たちが出てくるようなものじゃ無くて、まるで私が本当に見ているみたいなすごくはっきりとしたもの。
それでその時の私は何かするわけじゃ無く、綺麗な星空をただただぼーっと見上げてる。
それでその星空はすっごく透き通ってて、見たことないくらいきれいにぴかぴか光る星の粒が、床にばら撒いたビーズみたいにたくさんあって、だけど……なぜか私はとっても悲しくて、寂しくて、心臓がぎゅーって締め付けられるような気持ちで一杯になっている。
今まで感じたことの無い、そんな嫌な気持ちで私の胸が一杯になると、目の前の星空がだんだんとぼやけていって目が覚める。
その夢を見た時は、起きると枕がびっしょりになるくらい濡れてて、朝からまっかっかに腫れた目を冷やしたりしなきゃいけないからめんどくさい。



……そしてそんな夢を今日も見た。
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