右へならえ
「待って」

私の腕を掴んで、そのまま抱きしめた。

「竜之介さん?」
「本当に彼女になってくれるの?」

ちょっと弱々しい声に聞き、
可愛いと思ってしまった。

「竜之介さんさえよければ。
私は竜之介さんのことが大好きだから」

この温もりを離したくはなかった。
私だけのものにしたかった。
でも、出来ないのはわかってる。
だから私といる時は
癒してあげたい。
一緒にいてホッとできる
安らぎの場所になりたい。

私は竜之介さんを抱きしめ返した。
「私のこと好き?」
「俺が昨日からどれだけ
理性を抑えきれなくなっているのか、
わかってるの?」
「し、知らない」

セクシーな眼差しは反則だよ。
ドキドキが止まらなくなってしまう。

「麻知、俺と付き合ってください」
「はい」

私は、嬉しさのあまり、
竜之介さんを抱きしめ返した。

「ほら、暴れるな」
「だって、嬉しいんだもん」
「俺も嬉しいよ」
「ほんと?」
「ほんとだよ」

この温もりをずっと感じていよう。
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