右へならえ
トイレから戻ると、
みんな酔っ払って楽しそう。

私は目の前にある食べ物を食べながら
ちょっとひと息ついた。

竜ちゃんは何してるかな?
あれから忙しいのか連絡は来ない。

はぁ〜。

「ため息ばかりついてると幸せ逃げちゃうよ」
「……そうですよね」

そう言って話しかけてくれたのは
先輩の実夏さん。

「何があったかは聞かないけど
笑っていればいいことあるよ」

笑顔が可愛い実夏さん。
私も自然と笑顔になる。

「実夏さんって可愛いですよね」
「そんなことないよ。
でも嫌なこと考えていても
つまらないじゃない
それなら楽しいことを
考えていたら、楽しいから」
「実夏さん、すごい。
私も見習いたいなぁ」

実夏さんは人と話すことが苦手な私に
嫌な顔しないで話してかけてくれた。

いつも私のことを気にかけてくれる
憧れの先輩。

「実夏さんと話してたら、
元気出ました。
ありがとうございます」
「いいえ、どういたしまして。
何かあったら相談にのるからね」
「はい」

私はその後も、注文したり
バタバタと動きまわった。

そろそろ解散ということになり
お会計に行き、レジに向かった。

レジは会計を待つ人が、何人か並んでいた。

私は1番後ろに並んだ。

1組が会計を終えたみたいだ。

私は、スマホを見て
竜ちゃんからメッセージが
来ていないことにガッカリした。

もう私のこと好きじゃないのかな?

画面には、嫌だよって言いながら
一緒に撮ってくれたツーショットが
待受になってる。

それを見ながら、話しかけてる私って…
ちょっと笑えてきた。

「竜之介、ごちそうさま」
「うん」

私は声がする方を見上げた。

竜ちゃん……

私の大好きな竜ちゃんだった。
隣で腕を組んでいた人は
さっきトイレで会ったキレイな女性だった。
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