右へならえ
竜ちゃんは、誰もが振り向くイケメンだ。
そんな竜ちゃんが私に振り向くわけがない。

1度だけしか会っていないのに
日に日に想いは強くなるばかりだった。
髪を切る真剣な顔や
器用にハサミを操る指先。
何もかもが綺麗だった。
男性に綺麗と思ったことは
この時が、初めてだった。


きっと私が竜ちゃんを
鏡越しに見惚れてたこと、
気づいていたんだろうなぁ。

でもきっと竜ちゃんには日常茶飯事のことで
気にも止めてなかったんだと思う。
< 4 / 22 >

この作品をシェア

pagetop