溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
その日は椋の帰りが遅くなると聞いていたので、花霞は1人で夕食を食べ、ベットに入っていた。日付が変わるまでは待っていたけれど、それでも椋が帰ってくることはなかったので、彼には「先に休んでます。ごめんなさい。気をつけて帰ってきてね。」と、メッセージを送っていた。仕事中であれば、椋がこれを見るのが遅くなるのはわかっていたので、返信を待つ事はせずに、スマホをサイドテーブルに置いて眠る事にした。
この部屋で1人で過ごすことも多くなっていたけれど、最近は特に寂しいと思うようになっていた。
それは、彼の温かいぬくもりや優しさ、そして共に過ごすなかで幸せと楽しさを感じているからだろうと花霞は思った。
「………朝起きたら、椋さんは帰ってくる。」
花霞は、そう思い寝てしまえば次に目を覚ませば、笑顔の椋に会える。
それを頭の中で思い浮かべるだけで、花霞は自然と笑顔になれた。
左手の薬指の指輪を1回見つめた後、花霞はゆっくりと目を閉じた。彼が早く帰ってきてくれる事を願いながら。