溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
「栞、その電話来たのっていつ?」
「え?今日の朝一だけど………。」
「朝一…………。」
花霞はそれを聞いて、ぎゅっと手を握りしめた。花霞は、涙が止まらなくなった。
「ちょ、ちょっと花霞?どうしたの?」
突然泣き始めてしまった花霞は、すぐに涙を手の甲で拭いて、栞を真剣な眼差しで見つめた。
「栞………私、どうしてやらなきゃいけないことがあるの。………お願い。」
「え………。」
「きっと、今、行かないと後悔する。栞には全てわかったら話す、だから………。」
栞は驚きながらも、花霞の真剣な気持ちと、必死な様子が伝わったのだろう。昔からの友達だ。花霞がこんなにも何かを求めているのを見て、栞は少しだけ嬉しくなり、フッと微笑んだ。
「わかった。後の事は任せて。明日も休みだったでしょ?花霞がしたいこと、してきて。」
「栞………。」
「でーも!最近、休みがちなんだから、終わったらしっかり働いてもらうからね。」
「うん!栞、ありがとう!」
花霞は、栞に頭を下げると急いでエプロンを取り、着替えて花屋を後にした。