溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を



 「実は、俺には結婚を出来ない理由がありまして。なるべく恋人も作らないようにしてきたんです。………ですけど、やっぱり結婚に憧れもあったので、ずっと結婚して夫婦になってみたかったんです。」
 「そ、それが……何で私なんですか?それに、結婚出来ない理由って………?」
 「結婚出来ない理由は、今は内緒です。でも、大したことはないですよ!大きな罪があるとか、借金があるとか、すでに結婚してるとか……そんな事はないですから。」
 「………はぁ。」


 結婚出来ない理由。
 そう言われても、花霞は全く想像がつかなかった。結婚はお互いに認め合えば、誰にも止められず結婚することが出来るはずだ。それとも、家族で止められているという事だろうか。
 いずれにしても、彼が話してくれるまで、真実を知ることは出来ないようだ。


 「そして、あなたを選んだのは…………。あなたにもメリットがあると思ったからです。」
 「私に、メリットですか?」
 「はい。帰る家がすぐに手に入ります。ほぼ全財産を取られてしまったのですよね?新しく家を借りるのにはお金もかかりますし、家具家電も必要になる。そうですよね?」
 「…………それは、そうですが……。」


 花霞は戸惑っていると、男はゆっくりと立ち上がり、花霞の隣に腰を下ろした。そして、しっかりとこちらを見つめて話しを続けた。


< 17 / 223 >

この作品をシェア

pagetop