溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
「本当ですか!?……ありがとうございます。」
「こちらこそ………よろしくお願いいたします。」
ニッコリと嬉しそうに微笑む彼を見て、花霞はドキッとしてしまい、慌てて深くお辞儀をした。
「俺は、鑑椋(かがみりょう)と言います。31歳です。あなたは?」
「あ、音葉花霞(おとはかすみ)です。28歳です。」
「やっぱり年下でしたか。じゃあ、俺がしっかりリードしなきゃですね。」
「……私、おうちの事はなるべくやらせていただきます。」
「分担なんかも決めましょう。………なんせ、夫婦になるんですから。」
「は、はい……………。」
決めたのは花霞だと言うのに、「夫婦」という言葉は恥ずかしく、一気に頬を染めてしまう。すると、椋は嬉しそうに笑った。
「夫婦だから、敬語はやめよう。」
「え、敬語なしですか!?」
「うん。それと俺は花霞ちゃんとか、花霞って呼んでもいい?」
「はい………。私は、椋さんと呼びます。」
「んー………まぁ、急には難しいから名前はそれでいいかな。じゃあ、敬語は直してね。」
「はい…………あ、わかった。」
「そう………。」
花霞が敬語を訂正すると、椋は優しく微笑み、花霞の方にゆっくりと右手を伸ばした。そして、肩につくぐらいの、少しカールのかかった花霞の茶色の髪に触れ、上目遣いで甘く誘うような瞳で見つめた。