溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を



 椋は花霞の同意の言葉を聞くと、ゆっくりと体を離し、余裕がない様子でぎこちなく微笑むと、花霞の手首を掴むと寝室まで連れていく。少し早足の彼に小走りで進む花霞の胸はドキドキと激しく鳴っていた。

 ベットの傍にくると、花霞の体を抱き上げて、ゆっくりと体をベットに下ろしてくれる。


 「我慢出来なくて、ごめんね。………優しくするから。」
 「我慢なんか出来ないよ………沢山、求めて欲しい………。」
 「…………まったく、花霞ちゃんは。………煽った君が悪いよ。」


 
 椋はそう言うと、すぐに深いキスを花霞に求めた。呼吸も言葉も食べられてしまいそうな、激しいキスが落ちてくる。
 息苦しくなっても、花霞は何故が幸せを感じてしまう。
 愛しい椋が、また自分を求めてくれている。
 離れてしまった椋がまた、自分を求めてくれる。
 2人で裸になれば、身に付けている物はお互いに結婚指輪と赤い指輪がついたネックレスのみとなる。
 それがとても嬉しくて、恥ずかしさを感じながらも、花霞は椋の体に触れる。


 「ん?どうしたの………花霞ちゃん……?もしかして、体、痛い?」
 「ううん。ただ触れていたいの。椋さんに触ってもらうのも嬉しいけど、私も触ってたいなって。」
 「……いいよ。僕も君に触れられるの嬉しいから。だから、触れてて欲しい。」
 「うん……。」


 花霞は、彼の髪や頬、肩や腕、胸などに触れていた。彼からの熱を感じながらも彼に触れているだけで安心出来る。

 甘い声と、水音、そしてベットの軋む音が響く部屋。花霞は何度も彼の名前を呼んだ。




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