溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
強い視線で、椋に詰め寄る。
すると、椋はやっと観念したのか「わかったよ。」と、言って「料理以外のものは花霞ちゃんに任せる。」と、認めてくれたのだ。
「本当ですか!?ありがとう、椋さん。」
花霞はにっこり笑って手を合わせて喜ぶと、椋は苦笑しながら「今までで1番笑ったのが家事を任せた時なんて………、面白いね。花霞ちゃんは。」と、言って喜ぶ花霞を見て微笑んだ。
「じゃあ、早速洗濯しちゃいますね。」
と、立ち上がろうとした時だった。
椋は、花霞の手を取って引き留めたのだ。
「椋さん?」
「花霞ちゃん。ちょっと話しがあるから座ってくれないかな?」
椋は、ポンポンッとソファを叩いて、ここに座ってと花霞を促した。
花霞は不思議に思いながらも、彼に従いソファに座った。
すると、椋は花霞の方をしっかりと向き、真剣な表情で見つめた。いつもと違う様子に、花霞も彼の方を向いて座り直す。
「俺と花霞ちゃんは、まだ会って数日なのに結婚なんて、普通なら考えられないような事をしようとしてる。そんな俺の無茶な願いを、叶えてくれて感謝してるんだ。それに、この数日で君がどんなに純粋で素敵な女性かわかったよ。そんな花霞ちゃんに会えて俺は幸せだよ。」
「椋さん………。」
「ありえない結婚かもしれない。すぐに別れてしまうのかもしれない。けど、夫婦の間は君を大切にするよ。」
そういうと、服のポケットから小さな箱を取り出した。
その黒くて小さな声箱を見た瞬間。花霞の胸はドキッとした。女性が憧れ続けるシチュエーションだ。