溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
9話「花束と街」
9話「花束と街」
栞と椋は、レジ前のカウンターにコーヒーを置いて、まるでカフェで休憩しているような光景だった。
「旦那さん、待っててくれたんだよー。」
「急に来てごめん。仕事が早く終わったから、迎えにきたんだ。」
「………椋さん。ビックリした……。」
花霞は2人に近づくと、椋はニッコリと笑った。
「栞さんにも挨拶したかったから。保証人にもなっていただいただろ?」
「わざわざありがとうございます。お土産までいただいたのよ。花霞も、ありがとう。」
「そうだったんだ。」
「いろいろ聞いたわよ。椋さんからも、惚気話を聞いちゃったわ。」
「え!?」
「も、って事は、花霞さんも話してたんですか?気になるなー!」
「だ、だめだよ!内緒っ!」
栞に問い詰めようとする椋を止めると、栞も「えー。話したかったのに。」と、笑った。
花霞がいない時間も、2人は仲良くしていたようで安心した。
「花霞はもう上がりの時間でしょ?後は私がやっておくから。今日は椋さんが迎えに来てくれたんだから、帰って。」
「でも…………。」