溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を



 椋は花霞が似合うものをよく理解しており、「これが似合うんじゃないかな。」と言うものを着ると、何故かしっくりくるのだ。そんな彼は自分の物を何点かすぐに決めてしまい、花霞が選ぶのを楽しんで見ていた。

 そして、白のウエディングドレスを2着と、黄色のドレスを選んだ。
 ウエディングドレスは花霞が憧れたプリンセスラインのロングトレーンのもの。そして胸元の花の刺繍が繊細で美しいスレンダーラインのウエディングドレスは椋が勧めてくれたものだった。どちらか1つ選べなかった花霞に椋が「どっちも写真に残そう」と言ってくれたのだ。
 黄色は淡い色のもので、そのドレスも椋が選んでくれた。「花霞ちゃんは、出会ったときタンポポのイメージがあるから。」と言ってくれたのが嬉しくて、花霞はそれに決めたのだ。



 花霞が花が好きだと話をしていてくれたようで、写真を撮るスペースにはたくさんの花が用意されていた。それで写真を撮るのは、どうも緊張してしまい、花霞の表情は固くなってしまっていた。
 けれど、椋が何気ない言葉を掛けてくれたり、「可愛い可愛い。」と何回も褒めてくれたりしたおかげか、少しずつ緊張もほぐれていた。
 ホテルの敷地内にある立派な教会でも何枚か撮影をさせてもらった。花霞が選んだロングトレーンのドレスは教会で映えるものだからと、スタッフさんが提案してくれたのだ。

 花霞は椋と一緒に綺麗なステンドグラスを見ていたり、何気ない話しをしているうちに、撮影は全て終わったのだった。



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