溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
いつもは優しく抱き締めてくれる椋だけれど、この時は違った。
力強く抱き締めてきたのだ。花霞は苦しさを感じながらも、それが嫌だとは思わなかった。
ずっと、こうしていて欲しいとさえ思った。
「わ、私も………。」
「…………ん?…………。」
「私も、椋さんがとってもかっこよくて………ドキドキしてた。結婚式の写真を一緒に撮れて幸せだったし、それに………今も嬉しいって……感じていて………。」
「花霞ちゃん………。それは、反則じゃないかな…………。」
「でも、本当の事だから。」
「花霞ちゃんが、悪いんだからね………。」
「え………んっ………っ…………。」
椋の腕から解放されてしまったと思ったけれど、すぐに彼の腕が頭の後ろに周り、また引き寄せられたと思ったら、口を塞がれた。
そして、今までしたこともないような深いキスをされる。唇も言葉も、呼吸をも食べられてしまいような、深い深い口づけだった。
吐息と水音が車内に響く。
けれど、そんな事を気にしていられないぐらいの激しい彼からのキスに翻弄されてしまう。
「花霞ちゃん、好きだ………。」
唇が離れたほんの少しの間だけ、彼が言葉を囁いてくれる。
体の中心から熱を感じ、力が抜けてしまうほど椋のキスを深く感じながら、花霞は彼の唇をいつまでも受け入れ、気づくと自分からも強くキスを望んでいたのだった。
甘い時間は、しばらくの間続いたのだった。