溺愛旦那様と甘くて危険な新婚生活を
「んー、不眠症かー………。」
花霞は職場の休憩中に、栞に相談をしていた。その内容はもちろん椋が夜眠れないことについてだった。
「ラベンダーの香りに安眠効果があるって言うのは聞いたことあるんだけど。栞は他に何か知らない?」
「私も同じような事しかしらないなー。私は眠れないことなんてないもん。」
「………私も仕事で疲れたら、すぐ熟睡出来るから………考えた事なんてなかったんだよね。」
「そうだよね………。でも、心配だね。そんなに寝ないで仕事をしてるなんて。………警察ってそんなに忙しいんだ。」
「うん………。」
栞が言うように、警察とはこんなにも忙しいものなのだと、花霞は知らなかったので彼と結婚して驚いてしまった。
きっと、椋は帰ってきてからも仕事をしているのだろう、と花霞は思っていた。
自分が決して入ってはいけない椋の部屋は、仕事の重要な書類などがあるからだと、花霞は思うようにしていた。
彼が秘密にしている事を知るのが怖く、そんな風に思って心を落ち着かせておかないと、椋がどんな事をしているのか、気になって仕方がなくなってしまいそうだからだ。